斉藤犬子のスロウな日々

斉藤犬子のスロウな日々

育児日記とゆるく生きるためのアレコレ

妊娠がわかったとき落ち込んでいる自分が許せなかった話

こんにちは、斉藤犬子です。

病院で妊娠していると診断してもらったのは、ちょうど一年前のことでした。その当時に感じたことを振り返ります。

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なかなか妊娠しなかった

旦那さんと一緒に暮らし始めて2年が過ぎていました。子どもはいつできてもいいね、と話をしていましたが、なかなか妊娠しませんでした。それでも慌てずのんびり考えればいいかと思っていたところ、「不妊とは避妊をしていないのに1年以内に妊娠に至れない状態」であるという定義を知って驚きました。

世界保健機関による定義は「避妊をしていないのに12ヶ月以上にわたって妊娠に至れない状態」となっている。アメリカ生殖医学会も患者向けガイドラインの中で「1年以上」としており、さらに「もしあなたが35歳以上であるならば、6か月以上避妊せずに性交しても妊娠が起きなければ医学的な検査を始めるべきだ」と推奨している。

Wikipediaより

え、わたし不妊だったんだ?

子どもは授かりものだから…とのんきに考えていましたが、もしかしてわたしに原因があるんだろうか?そんなことをモヤモヤと考えるようになりました。

生理周期を記録して妊娠しやすい日をチェックしたりしましたが、それでも子どもはできず。旦那さんに少し相談すると「俺の方が悪いかもしれないし、あんまり気にしないで」と言われました。旦那さんもわたしも、お互いが少しずつ自信を失くしていっていました。

旦那さんは特に落ち込んだり怒ったりすることはなく、出来なければ仕方ないという考えであくまでも冷静でした。わたしもそれでいいと思っていました。周りに子どものいない夫婦が多かったこともあり、自然と子どものいない将来も受け入れられるだろうと。そりゃあ、子どもができた方が嬉しいですけどね。

2016年3月にようやく結婚式を挙げ、色々とひと段落ついたとき子どものことは一旦忘れようと思いました。しばらくは好きなことをして、やっぱり今年中に妊娠しなかったら病院に行こう。もし自然妊娠ができなかったとして、それでも子どもが欲しいか諦めるかはその時に決めよう。そう考えていたのです。

妊娠は突然に

2016年4月〜5月はかなりアグレッシブに行動しました。

旦那さんが休みが取れないので新婚旅行の代わりに近場で豪遊しました。リッチなディナーに高層ホテル宿泊でセレブごっこ。旦那さんのマラソンに付いて行ったり史跡巡りや山登りを楽しんだり友達と飲みに行ったり。平日はお酒を飲みながら小説を読み書きし、ご飯を作ったり。とても楽しくて充実した毎日でした。

それが5月の下旬のこと、旦那さんの友人たちとバーベキューをしたときお酒が不味く感じたのです。すぐに妊娠したと気づきました。女の勘というやつです。

でも、生理周期の記録では今月は妊娠しないはずだったけど?やっぱり生理周期がずれていたから今まで妊娠しなかったのかな?

そんなこんなで妊娠検査薬を使うと陽性反応が!

トイレでひとりガッツポーズを決めました。すぐ旦那さんに連絡し、旦那さんも大喜びで返事をくれました。

ほとんど諦めていたのに、ちゃんと妊娠した!ずっと欲しかった赤ちゃんができた!

ひとしきり喜んではしゃぎ回った後、次に感じたのは「ヤバい、色んな予定をキャンセルしなきゃ…」というガッカリ感でした。

妊娠は嬉しいはずなのに…

妊娠は嬉しいはずなのに、どうしようもなく気持ちが落ち込みました。それは、今年の予定を全てキャンセルしなければならないガッカリ感からくるものでした。

2週間後、東京に遊びに行く予定でしたが行けなくなりました。新幹線のチケットを払い戻し、現地で会う予定だった人に謝罪の連絡を入れました。同人誌の即売会に参加する予定だったのも諦めました。あまり同人イベントに行く機会がなく、2年ぶりに参加しようと自作の本を用意していましたが泣く泣く断念…。

夏と秋の旅行、これも同行予定の友人たちにキャンセルと謝罪の連絡をしました。淡路島一周サイクリングや史跡巡りの予定が無くなりました。その他、1人で行きたかった登山の予定も諦めなければいけません。直近でも友達に会う予定がたくさんありましたが、全部キャンセルです。

たくさんの予定を諦めて行く中で、ガッカリしている自分が信じられませんでした。赤ちゃんができて幸せなはずなのに、ずっと欲しかった赤ちゃんなのに、どうしてわたしは暗い気持ちになっているんだろう…。自己嫌悪に襲われる毎日でした。

それからすぐにつわりがはじまりました。会社も辞めなきゃいけないなあ。わたしが辞めると先輩がひとりになってしまう…。わたしが入ってからやっと仕事の負担が減ったって言ってくれてたのにな…。あと毎日飲んでたお酒もやめなきゃ。コーヒーもカフェインが入ってるからダメか…。

こんな感じで、赤ちゃんができた嬉しさより諦めなければならないものの多さに圧倒されていたのです。

妊娠すると生活が一変した

妊娠すると生活が一変しました。

仕事が終わった後の晩酌が日課でしたが、もちろん禁酒。週末に1人でふらりと史跡巡りや登山に行っていたのも禁止。外出は原則旦那さんか実家の母と一緒で、1人で出歩くのはダメ。仕事から帰った後はたとえコンビニでも1人で行かないように言われました。

しばらくはつわりで外出どころではありませんでしたが、安定期に入ると今までの生活ができなくなったことが悲しくなりました。何度か友達に会う機会がありましたが、遠方の友達に「次に会えるのは何年後だろうね?」と言われ、思わず涙が出そうに…。本当に、何年後になるのか見当もつかなかったのです。これから出産して、子どもを誰かにあずけて外出なんてできるようになるんだろうか?

自分でもこれから先どうなるのかわかりません。ほとんどのことを諦めて行く中で、展覧会に行くなど、いくつかは自分のやりたいことをしました。本当に、少しだけです。それなのに「子どもができてからでいいじゃないか」「妊娠中なのに外出するのはよくない」など、色々と非難されることがありました。

ほとんどのことを諦めているのに、それでもダメなのか…と、今も妊娠中に感じた不自由さや悔しさを思うと辛くて仕方がありません。

それでも赤ちゃんは可愛い

今思い返せば、マタニティブルーというやつだったのでしょう。自分の趣味をほとんど諦めざるを得なくて暗い気持ちになりましたが、かといって母性が無いわけではありません。

赤ちゃんができたことは本当に嬉しいし、早く産まれて欲しかったし、初めてエコーで心音を聞いたときは感動のあまり泣いてしまいました。しっかり子育てをしたいから仕事も辞めました。

子どもができた今も、1日中べったり子どもと過ごしています。過保護なんじゃないか?というくらいべったり。それくらい我が子は可愛いです。

子どもができたら趣味はお休みする

子どものことと自分のことは、別次元の問題だと思います。だから、「子どもが欲しくて妊娠したのに、なんかツラい」という訳のわからない状態に陥ってしまうのです。

子どものことは可愛いししっかり育てたい、そのために自分が何かを我慢しなければいけない。この思いが大前提にあります。妊娠中に暗い気持ちになったのは、わたし自身が趣味を諦めるのに時間がかかったからなのです。

よく「子どもができても趣味は続けなさい」というアドバイスを見かけますが、妊娠中や乳児を抱えて山登りはできませんし、お酒も飲めません。同人誌をモリモリ作って即売会に参加することもできません。どうしても続けられない趣味だってあります。子どもがいても続けられる趣味がある人はいいよねー!なんてやさぐれることもありました。

だから「趣味は少しの間お休みする!」と割り切った方が気持ちが楽になりました。数年間は子育てに専念して、自分の時間ができるようになったら少しずつ趣味を再開しようと。山登りや史跡巡りは子どもが歩けるようになったらいくらでも行けるし、創作活動は子どもが保育園や学校に行きだしたら時間ができるだろう。たぶん。

赤ちゃんがいても趣味を続けなきゃ…でもできない…時間が無い…という悪いループに陥るより、すっぱり諦めた方が気楽に過ごせます。今までの趣味を諦めた代わりにブログという新しい趣味ができたり、良いこともありました。

最後に

とりとめのない話になりましたが、妊娠してからは嬉しさと辛さが常にぐるぐると入れ替わる毎日でした。まさに泣いたり笑ったり、感情が不安定でした。

趣味を諦めきれなくて、自分は母親失格なんじゃないか。最低な人間なんじゃないか。そう考えることもありました。それでも子どもができた今はちゃんと母親をやれているつもりです。

妊娠して嬉しさ以外の感情を抱いたからといって、母親失格ではないのです。好きなことを諦めたくないのは、人間として当たり前の感情だから仕方ありません。あとは、うまく気持ちの折り合いをつけることができればいいのです。

子どもが生まれて思ったのは、妊娠中、ひとりきりで悩んでいるときが一番辛かったということです。今はたまに赤ちゃんが泣いて大変だったり体調が悪くて辛いこともありますが、ひとりで悶々としていた昨年に比べると、子どもがそばにいて笑顔を見せてくれると心強いです。

それに、日々大きくなっていく子どもを見ると「小さいのはあっという間かもしれない」と思うようになりました。生まれてすぐ3kgに満たなかったあの頃の我が子はもういません。たった4ヶ月前なのに懐かしい。まだ母親になって数ヶ月のくせに、そんなことを感じています。

一年間を振り返ってみて、こんなにも心境の変化があるとは思いませんでした。妊娠してから落ち込むこともあったけど、全然大丈夫。そう思えるようになって良かったです。

そして一年前は小さな小さな丸い何かだった我が子もしっかり人間の形をしている。ぐうぐう寝息を立てて眠っている。すごいことですよね。